無駄に長い進捗報告はもう終わり!陸自流のスマートな報告でしっかり情報共有

ダラダラと長い報告

会社の定例会議の中には、プロジェクトごとの進捗状況の報告を目的とするものがあります。
これは、顧客との交渉や計画したことの進捗状況を関係者に周知し、上司から必要な指導を受けるために行なっているかと思います。
この種の会議は本来シンプルなもので、それほど多くの時間を割くものではありませんが、
なぜかダラダラと続くことがあります。
その原因は、前回からのアップデートを物語のように事細く説明しようとするため。
例えば
「月曜日に顧客のAさんに電話したところ、Aさんからの返答が・・・だったので、火曜日に直接お伺いして・・・、で木曜日には・・・ということになり、現在この件について停滞しています。その原因としては・・・・と思うのですが、私としては・・・としようと思いましたが、そのためには・・・」
のような。
報告者はできるだけ詳細に伝えようと必死ですが、あまりに長いと

「結局どうなの」
「ここの件(くだり)は自分には関係ない」

と他の出席者に思われてしまい、中には内職する人もいたりするのではないでしょうか。
こうなってしまうと、もはや進捗報告を目的とする会議の必要性も怪しくなってきます。
実際、私が以前所属していた会社では進捗会議を廃止しました。

でも、不思議なもので、進捗を共有する場がないとお互いの業務の関係性が分からなくなったり、
上司も状況把握が難しくなったりします。
つまり、まるっきり無意味なものではく、関係者を集めて口頭で伝えることも必要だということ。
問題は進捗を共有する会議そのものではなく、そのやり方。
もっと言うと、報告者の報告要領が問題だということです。
これを改善すれば意義あるものになるでしょう。

では、どう改善すれば良いのか?

そのヒントは陸自流の報告要領にあるかもしれません。

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陸自流の報告・通報

陸自の報告・通報については野外幕僚勤務という教範に記載されています。
これは一般には販売されてはいませんが、国会図書館で1968年版を閲覧することができます。
ちなみに、陸自の中では指揮系統において
下級部隊→上級部隊は「報告」
上級部隊→下級部隊、または隣接する部隊間同士は「通報」
と定義されていますが、今回の記事では進捗報告の場、つまり、部下から上司に報告する場面を想定して記述します。
もちろん、同席している同僚や部下への通報の要素も含んでいますが。

そもそも報告の意義は?

ここで改めて、報告の意義、つまり「なぜ上司に対して報告するのか?」、「なぜ上司は報告を求めるのか?」
について改めて考えてみましょう。
陸自では、
・受領者に資料を提供するもの。
・受領した指揮官の指揮を容易にするもの。
・関係者間の状況の理解や意思疎通、調整、協同を容易にするもの。
とされています。
最初の2つがまさに報告の意義ですね。
企業で言えば、上司によるプロジェクトマネジメントを円滑にすることが目的と言えるでしょう。
この目的に見合った内容を精選し、報告するのが部下としての腕の見せ所ではあるものの、なかなか難しいのではないでしょうか。

報告統制で双方の負担を軽減

ダラダラと長い報告を聞くのは上司として苦痛である一方、部下にとっても上司がどんな報告を欲しているのか分からない中、とにかく事実を漏れなく報告しようと準備するのも手間。
双方にとっていいことはありません。
これを避けるために、陸自には「報告統制」という概念があります。
教範には、「司令部からの不要不急あるいは類似の報告の要求が乱発されるのを防ぎ、下級部隊の報告に関する業務を軽減するため」とあり、一読すると、部下の業務負荷の軽減が目的のように感じられます。
しかし、私は報告をよりスマートなものにして、指揮官の思考環境を整えることが本当の目的と解釈しています。
なぜなら、報告統制の着意事項として

・真に必要で価値のある報告だけを要求する。
・重複する報告の要求を避ける。
・作成及び理解に便利なように様式を定める。

とあるからです。
指揮官(上司)の状況判断に必要な材料だけにフォーカスするのが報告統制だと思います。

プロジェクト開始前にチーム内でしっかりと認識を合わせておく

報告統制の着意事項は分かりましたが、「実際にプロジェクトを走らせながら、”真に必要で価値ある報告”をどう部下に伝えるか・・・」と思った方もいるのではないでしょうか。
先ほどあげた着意事項は、行動を開始してから実践してもあまり効果はありません。
プロジェクトの開始前に、
「要点は何か」
「意思決定の基準となるものは何か」
について、チーム内のメンバー全員、つまり上司と部下全員で認識をしっかり合わせておく必要があります。
そして、定例の進捗で報告すべき事項を様式化(または定型化)するのです。
この様式化には一人当たりの持ち時間も含みます。

報告の種類

陸自の報告には、随時に行うものと定期に行うものがあります。
随時に行う報告は必要の都度、つまりすぐに報告しておかいないとまずいくらい重要なことが起きた時に行うものです。
教範には一例として、「敵の行動が急変した時」、「初めて敵を発見した時」などが記載されていますが、ビジネスに置き換えると、
「お客さんが取引の継続に難色を示した」とか、「他社の営業がお得意先に不意に現れた」などが該当するかと思います。
これらの報告は比較的やりやすいのではないでしょうか。

問題は定期に行う報告。
定期に行う報告には2種類あり、戦闘要報と呼ばれる日々行うもの。
もう一つは、作戦(戦闘)詳報で、これは作戦が終了した時、または長期の作戦の場合は、主要な作戦段階で行われます。

企業における進捗報告は週イチで行われる戦闘要報のようなものではないでしょうか。
ですので、この戦闘要報に関する記述を参考にしていきたいと思います。

戦闘要報

戦闘要報は、上級指揮官の戦闘指導を適切にすることを目的に行います。
部隊では一般に書面で提出するものですが、企業においては進捗把握のシートなどに必要事項を記入し、会議でこの中の要点を読み上げるような形式にすると良いでしょう。
シートの様式の一例(陸自の戦闘要報の様式)は後述します。

戦闘要報の記述内容は、部隊の地位や大小によって異なるとされていますが、会社においても個々人の地位や立場によっても異なると思います。
しかし、「様式を活用し、目的に合致した必要な事項を簡明に報告する」ということは共通の事項だと思います。
また、すでに報告した事項は、重要なもののほかは重ねて報告しない、必要に応じて部外(他者、同僚など)との関連事項を含める、といった点も進捗報告にも活用できるかと思います。

戦闘要報は一般に様式が定められています。
その内容は、

  1. 情報
    地域に関する重要事項、期間内の敵の活動、敵の可能行動など
  2. 作戦
    期間内の作戦行動とその結果、戦闘に影響を及ぼした事項など
  3. 対情報
    情報・謀略活動を行っている敵の状況、可能行動、対策など
  4. 兵站
    主要装備品の損耗、燃料弾薬の使用量や過不足など
  5. 人事
    人的損耗、士気
  6. 結言
    今後の構想、意見、教訓など

これを会社での進捗報告に向けにアレンジすれば良いと思います。
一例は以下のような感じです。

  1. 顧客の状況、他社の活動状況と展望
  2. 先週からの行動とその結果
  3. 活動に必要なツール(webサービスなど)、必要な出張等の要望
  4. 必要な人材、メンバー増強の要望
  5. 次の1週間の活動概要、意見、教訓など

これを自社の状況に合わせて取捨選択し、そして大量の情報を詰め込まずに短節に報告できるよう、要素をしっかり定めておけば、よりスムーズな進捗報告ができるかと思います。
もちろん、実践しながらどんどんアレンジしてくことも忘れずに!

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まとめ

私が若い戦車乗りだった頃、「○秒以内の通信」が徹底されていました。
(具体的な秒数はここには記載しません。)
どういうことかというと、戦車部隊の意思疎通は全て無線通信で行われます。
そして電話のように同時通話ができないので、誰かが無線通話を始めると、それが終わるまで他の人は通信ができません。
一人がダラダラ長く通話している間に重大な事態が起きても、その通信が終わるまで指揮官に報告できないのです。
また、長い通信は敵に位置を標定されたり、無線の諸元(周波数など)を探知される恐れもあります。
だから短い通信で、必要な事項をしっかり伝えられるように訓練していました。
訓練といっても、早口で大量の情報を詰め込んで話す、とかではありません。
定められた報告様式、「現在の状況、じ後の企図(自分が何をしようとしているのか)」という極めてシンプルな中に、必要な要素のみを盛り込むというものでした。
これでも部隊として機能できていたのは、やはり行動開始前に指揮官としっかり認識を合わせていたからだと思います。
この戦闘において重要なことは何か?
どんな要素が指揮官の状況判断に影響を及ぼすのか?
といったようのことです。

より良い報告は、部下に対していかにその意図を伝えるか、そして部下がいかに上司の意図をしっかり理解できるか、という双方の作用によるものだと言えます、
進捗会議がうまく流れるようになれば、その手法を他の報告にも応用してみましょう。
業務がスムーズに流れること間違いなし?です(笑)

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